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「最初の事務所選び」での、典型的な失敗パターン
やり直し案件として当事務所にお越しになる方々のお話を伺っていると、最初の事務所選びでの失敗には、共通する構造があります。業界経験者として、これらを率直に整理することで、これから事務所を選ばれる方々への参考になればと思います。
なお、本稿は特定の事務所を批判するためのものではありません。あくまで構造的な傾向を整理し、ご依頼者の方が冷静に判断していただくための材料を提供することが目的です。
派手な広告で選んだ
最も多くお聞きするのが、派手な広告に惹かれて選んだケースです。派手な広告には、構造的な背景があります。広告費が料金に上乗せされ、品質よりブランドが優先される傾向が生じやすい。広告の華やかさと、実際の現場の力は、必ずしも一致しません。事務所選びについては別稿で詳しくお伝えしていますが、広告に頼らず、実際の対応と説明の中身で判断されることをお勧めします。
急いで決めた
次に多いのが、急いで決めたケースです。依頼者の方が、ご自分のお気持ちが高まっている時に、当日中の契約を勧められて決めてしまったというお話を、しばしば伺います。契約を急がせる事務所のなかには、依頼者の方が冷静に他社と比較する余裕を与えない形で進めるところもあるようです。一拍置いて判断する余裕を持つことが、適切な事務所選びの基本です。
料金の安さで選んだ
もう一つの典型が、料金の安さで選んだケースです。「安さ」の裏には、構造的な事情があることがあります。最初の見積もりだけで判断すると、後で追加費用が積み重なり、結局は高くつくこともあります。安さに惹かれた契約が、結果として最初の見積もりの数倍に膨らんでいたというお話を、何度も伺ってきました。
契約書を読まなかった
契約書を、しっかり読まずにサインしたケースも多くあります。契約書は、その後のすべての関係を規定する重要な書面です。事前に持ち帰って読む時間を確保すること、不明な条項について質問できる関係を作ること、ご家族や信頼できる方に一度見ていただくこと。こうした基本を踏むだけで、後の不満を大きく減らせます。
ランキングサイトを信じた
もう一つの失敗が、ランキングサイトを信じてしまったケースです。インターネット上のランキングサイトの多くは、中立的な評価機関ではなく、広告枠として運営されているものが含まれています。ランキング上位だから信頼できる、とは限らないという基本を、知っておいていただきたいと思います。事務所選びについては別稿で詳しくお伝えしています。
相談時の不安を、見逃した
微妙な失敗ですが、ご相談時に感じた不安を、見逃したというケースもあります。「何か気になったけれど、思い切って契約した」という方が、後で「あの時の違和感は当たっていた」と振り返られることがあります。相談時の感触や直感は、見落としてはならない判断材料です。少しでも違和感があれば、その日は持ち帰る勇気を持っていただきたいと思います。
複数事務所を比較しなかった
複数事務所を比較しないで、最初の一社に決めたケースも多くあります。比較することで、料金の妥当性、説明の丁寧さ、対応の姿勢、それぞれの違いが見えてきます。複数事務所への相談が、最善の判断を支えます。お気持ちが急いておられる時ほど、一拍置いて二社目・三社目とお話しされることをお勧めします。
FCの本部だから安心と思った
もう一つの失敗が、フランチャイズ(FC)の本部だから安心と思ったケースです。FC方式には構造的な課題があり、本部の看板と、実際に対応する現場の事務所の力は別物のことがあります。看板だけで判断せず、実際の担当者の説明と対応で判断していただきたいと思います。
失敗パターンの共通する根本
これらの失敗パターンに共通する根本があります。依頼者の方の責任というより、業界の構造と、依頼者の方の心理状態が、失敗を生む構造を作っているということです。お気持ちが急いている時、冷静な判断が難しいのは自然なことです。それを利用する形になっている業界の構造が、根本の問題の一つです。
失敗を、教訓に
やり直し案件でお越しになる方々に、お伝えしておきたいことがあります。過去の失敗を、ご自分を責める材料にしないでください。「もう一度、最初から判断する力」を、当事務所がお手伝いします。判断のための材料を整え、ご依頼者の方ご自身が次の選択をされるのを支える。それが、立て直しの最初の段階での私たちの役割です。
結びに
業界経験者として、こうした失敗パターンを率直に整理し、発信することは、業界に対する一つの責任だと考えています。2001年から続けてきた事業者として、こうした地味な発信が、長期的に業界を変えていくと信じています。これから事務所を選ばれる方の、判断の一助になれば幸いです。