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「他の女性にお金を使っている」と感じた時 ─ お金の流れから見える不貞
配偶者や交際相手の様子に違和感を覚えるご相談のなかで、ご依頼者を深く傷つけるパターンのひとつが、「他の女性にお金を使っているのではないか」というご懸念です。お二人で築いてきた財産が、いつのまにか他の方への支出に回っている。お子様や生活のために使うべきお金が、知らないところで動いている。これは、不貞の事実そのものと同じか、それ以上に依頼者を傷つける現実です。
2001年からこの仕事を続けるなかで、お金が絡む不貞案件は、依頼者にとって二重三重の傷を残す案件だと感じてきました。最初に申し上げておきたいのは、お金の動きに気づかれた依頼者を、私たちは決して責めません。「もっと早く気づくべきだった」と、ご自身を追い詰めないでいただきたい、ということです。誠実に家庭を支えてこられた方が、信頼関係の前提を裏切られた、というのが事実です。
お金の流れに気づくきっかけ
ご依頼者がお金の流れの変化に気づかれるきっかけには、いくつかのパターンがあります。家計簿や通帳の不自然さ。給与の振込額に対して、家計に入ってくる金額が少ない。配偶者個人の口座から、説明のつかない引き出しが続いている。クレジットカードの明細に、心当たりのない高額の支出がある。生活の見えにくい変化。配偶者の身の回りのものが変わった、不自然な高級品を持つようになった。ご家族での外食や旅行が減っているのに、配偶者の個人的な支出は増えている。お金の話題への過敏な反応。家計のことを話そうとすると不機嫌になる、お金の使い道を聞くと怒り出す、通帳や明細を見せたがらない。これらのサインが複数重なっている時、お金が他に流れている可能性が浮上してきます。
「お金を貢いでいる」関係の構造
不貞関係のなかで、対象者がお金を他の女性に渡しているケースには、いくつかの構造があります。定期的な金銭援助。家賃の補助、生活費の補填、お子様の学費の援助など、相手方の生活そのものを支えている形です。高額な贈り物の継続。ブランド品、宝飾品、車、海外旅行など、相手方への贈り物を続けている。借金の肩代わり。相手方の負債を支払っている、相手方の事業のために融資をしている、保証人になっているなど、金銭的なリスクまで引き受けているケース。風俗や性産業への支出。継続的な利用、特定の方への指名、店舗の外での個人的な関係への発展など、お金を介した関係性が固定化しているケース。これらの構造によって、必要な調査と対応の方向性が変わってきます。
お金の動きを「ご自身の権限で」整理する
調査に進む前の段階で、ご依頼者の側でできることがあります。それは、ご自身の権限で確認できるお金の動きを、きちんと整理することです。ご家庭の共有の口座、ご自身が把握している家計の流れ、ご自身名義のクレジットカードの利用状況、家族カードの動き。これらは、ご依頼者が法的に確認できる情報です。一方で、配偶者個人名義の通帳を勝手に開く、配偶者のクレジットカード会社に電話をして個人情報を聞き出すといった行為は、ご依頼者の側にもリスクが生じます。確認できる範囲と、確認できない範囲を、最初に整理しておくことが大切です。
調査で補完する範囲
ご依頼者の手元の情報だけでは見えない部分を、現場調査で補うことになります。対象者が出かける場所のパターン、現金で支払いを済ませる店舗の傾向、相手方とされる方の生活水準の変化、対象者が相手方のもとを訪れる頻度。これらの観察から、お金の動きが対象者のどのような関係性に向けられているかが、間接的に見えてきます。ただし、調査会社の側で、対象者の個別の金融取引そのものを把握することはできません。信用情報の取得、銀行口座の照会、税務情報の確認などは、私たちの権限を超える領域です。代わりに、「お金が流れていることを示す状況証拠」を、現場の観察と公開情報の整理から組み立てます。
弁護士の先生との早期の連携
お金の動きが絡む案件では、弁護士の先生との連携を、調査の早い段階から始めることをお勧めしています。財産分与の準備、生活費の確保、不法に流出した財産の取り戻しの可能性、慰謝料請求の検討、相手方への請求の組み立て。これらは、すべて法律実務の専門領域です。特に、お金が大きく動いている案件では、配偶者が財産を隠そうとしたり、急いで処分してしまったりするリスクがあります。これを防ぐためには、法律実務の枠組みのなかで、必要に応じて財産の保全手続きを取る必要があります。
お子様の生活を最優先に
お金が他に流れている案件で、最も心を痛めるのが、お子様の生活への影響です。本来であれば、お子様の教育費、生活費、医療費、習い事の費用に使われるべきお金が、別の女性のもとに流れている。これに気づいた時の依頼者のお気持ちは、言葉に尽くせないものがあります。ご相談を受けた際、まずお子様の現在の生活基盤がどの程度確保されているかを確認します。不足が深刻な場合は、調査と並行して、行政の支援制度の情報を、ご依頼者にお伝えすることがあります。これらの制度は、お住まいの市町村の窓口や、自治体の福祉課などでご相談いただけます。お子様の生活を守ることは、調査の結果がどうあれ、依頼者にとっての最優先事項です。
「自分が悪かった」と思わないでください
最後に、本稿で最もお伝えしたいことを書き留めておきます。ご相談の場で、「自分が至らなかったのではないか」「もっとうまく支えていれば」と、ご自身を責められる依頼者にお会いすることがあります。これは、間違ったお気持ちです。配偶者がお金を他に流すという行為の責任は、配偶者ご自身にあります。依頼者がどれほど誠実に家庭を支えてこられたかと、配偶者の選択は、別の問題です。ご自身を責めて、ご自身の心と体を消耗させてしまうことが、最も避けたい事態です。ご自身とお子様の生活と、健康と、未来。これらを守るために、調査も、法律実務も、行政の支援も、心のケアも、すべての手段を活用してまいります。
結びに
「他の女性にお金を使っている」と感じた時の調査は、お金の動きの確認、お子様の生活の確保、弁護士の先生との連携、行政の支援制度の活用、心のケアの専門家との連携など、複数の領域にまたがる対応が必要です。調査会社単独でできる範囲は限られていますが、依頼者の人生を支えるための入口として、ご相談を受け止めます。何より大切なのは、ご自身を責めず、お子様と共にこれから歩んでいく道筋を、専門家と一緒に整えていくことです。お一人で抱え込まず、まずはご相談ください。