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相手方への接触をどう扱うか ─ 直接コンタクトの是非
調査が一段落した後、「相手方に直接連絡を取りたい」「会って話したい」というご質問を伺うことがあります。何かを言いたい、聞きたいというお気持ちは自然なものです。けれども、相手方との直接の接触は、ご依頼者の立場に大きく影響しうる行動です。
2001年からこの仕事を続けるなかで、接触の扱いは、調査結果のあとの「動き方」に関わる重要な論点だと感じてきました。本稿では、判断の軸を整理します。
直接接触のリスク
ご依頼者ご自身が相手方に直接接触する行為には、いくつかのリスクがあります。やり取りのなかで強い言葉を発したと評価されれば、相手方からの逆の請求につながる可能性があります。「事実を把握している」と知った相手方が、関係を急いで整理したり履歴を消したりして、後の手続きを難しくすることもあります。そして、直接会って話すことは想像以上に精神的な消耗を伴います。これらのリスクがあるため、私たちは「直接接触の前に、まず弁護士の先生にご相談を」と強くお勧めしています。
内容証明という選択肢
相手方に何かを伝えたい場合、直接接触ではなく内容証明郵便を活用する方法があります。配達された日付と内容が郵便局によって証明される形式で、慰謝料の請求や接触停止の通知などに使われます。弁護士の先生に作成を依頼することで、感情的にならず、法的に意味のある形で意思を伝えられます。「言いたいことを伝える手段」は、ひとつではありません。
弁護士の先生を通じた対応
相手方とのやり取りは、原則として弁護士の先生を窓口にしていただくのが最も安全です。代理人が動けば、ご依頼者は直接やり取りをする必要がなくなります。慰謝料の交渉、関係解消の通知、接触停止の合意。これらを法律家の枠組みのなかで進められます。費用はかかりますが、ご依頼者の立場と心を守るための投資として、十分に価値があると考えています。
会わずに済ませる工夫
調査結果が出た後、相手方と直接会わずに事態を進める工夫は、思った以上に多くあります。書面でのやり取り、代理人を通じたやり取り、調停や裁判手続きの活用。これらを組み合わせれば、直接顔を合わせる必要はほとんどの場合避けられます。「直接会わなくても済む」を最初の選択肢として考えることは、ご依頼者ご自身の生活のリズムを守るうえでも有効です。
どうしての場合の備え
それでもなお「どうしても会いたい」とおっしゃる場合は、少なくとも次の備えをご一緒に整えます。必ず事前に弁護士の先生に相談する。日時と場所を明確に決め、第三者の立会いを得る。やり取りを記録する。感情的な発言を控え、必要な確認だけに絞る。これらで、リスクをある程度抑えられます。
相手方からの接触への対応
逆に、相手方の側から接触を試みてくるケースもあります。これらへの対応も、原則として弁護士の先生のご助言を仰いでから決めていただきます。会話の内容や合意してしまった事項が、後の手続きに影響することがあるためです。準備があれば、突然の接触にも落ち着いて対応できます。
SNSや電子的な接触への対応
近年増えているのが、SNSやメッセージを通じた接触です。電子的なやり取りは記録が残り、削除しても相手方の手元には残っている可能性があり、後の手続きで証拠として扱われることもあります。相手方から電子的な接触があった場合は、すぐに応答せず、まず弁護士の先生にご相談ください。応答してしまった場合でも、感情的な内容は書かず、淡々と「弁護士に伝えます」とだけ書いていただくことをお願いしています。
結びに
相手方への接触は、調査結果と同じくらい慎重に扱うべき主題です。事実の確認と、事実への動き方は、別の段階として整理する。この発想をご依頼者と共有することが、調査結果をご依頼者の人生の利益に変えていく道筋だと考えています。