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  • 示談・和解という選択 ─ 訴訟まで進めない道筋

    調査結果を活かす場面で、訴訟まで進めずに示談や和解で決着を図るケースは、実は少なくありません。むしろ、慰謝料請求の多くは訴訟に至らず示談や和解で終結しているとされています。時間と費用と精神的な負担を考えれば、合意で済むなら合意で済ませたい、という判断は自然なものです。

    2001年からこの仕事を続けるなかで、調査結果を「訴訟のため」だけでなく「示談や和解のため」にも活かせる形に整えることの大切さを感じてきました。本稿では、その選択肢を整理します。

    示談・和解の意義

    示談や和解の最大の意義は、当事者間の合意で問題を解決できることです。訴訟は最終的に裁判所が判断を下す手続きで、結果が当事者の意向に沿うとは限りません。一方、示談や和解は双方が納得した形で決着でき、お子様の養育、今後の接触の制限、謝罪の有無など、訴訟では細かく扱われない論点も盛り込めます。時間と費用の面でも、訴訟より軽い手続きで済むことが多いものです。

    確かな調査結果が交渉を支える

    相手方や配偶者を示談のテーブルに引き寄せるには、確かな調査結果が支えになります。事実関係があいまいなままでは、相手方が応じない可能性が高くなります。確かな事実が整理されていれば、交渉は現実的な合意に向かいやすくなります。素材をどう示すか、どこまで開示するかといった交渉上の判断は、弁護士の先生のご判断のもとで進められる領域です。私たちは、訴訟にも示談にも耐える形で事実関係を整え、弁護士の先生が交渉で活かせる土台を用意します。

    示談書に盛り込まれる内容

    示談が成立すると、合意の内容は示談書として書面化されます。慰謝料の金額と支払い方法、今後の接触の制限(誓約)、口外禁止条項、清算条項などが盛り込まれるのが一般的です。支払いは、一度で終わる一時金方式と、複数回に分ける分割方式があり、相手方の支払い能力に応じて選びます。接触の制限は、今後ご依頼者の生活圏に立ち入らない、連絡を取らないといった、再発を防ぐための重要な条項です。これらはすべて弁護士の先生のご助言のもとで作成され、私たちは根拠となる事実関係を提供します。

    示談を選んでも訴訟に備える

    示談を狙う場合でも、訴訟になった場合の備えを並行して整えておくのが安全です。交渉の途中で相手方が応じない、合意がまとまらない、約束を守らない、といった事態が起き得るためです。訴訟になった時に慌てて素材を作り直さなくて済むよう、調査結果は最初から訴訟にも耐える品質で整えておく。これが、示談を狙う案件でも心がけている姿勢です。

    お子様の養育と示談

    お子様がいらっしゃるご家庭の示談では、養育費、面会交流、進学や習い事への費用負担など、お子様の養育に関わる合意も組み込まれることが多くあります。お子様の人生にも影響する内容ですので、短期的な金額の交渉だけでなく、長期的な視点での合意形成が求められます。この領域は特に、弁護士の先生との連携を強くお勧めしています。

    示談後の再発への備え

    示談が成立した後でも、相手方や配偶者が約束を守らないリスクは残ります。これに備えて、示談書には違約金や強制執行に関する条項を盛り込むことが多くあります。再発が確認されれば、示談書を根拠に強制執行や追加請求が可能になります。再発の確認のための再調査をお引き受けすることもあります。示談は終わりではなく、その後の関係を平和に保つための出発点でもあります。

    清算条項の意味

    示談書にほぼ必ず盛り込まれるのが「清算条項」です。これは、示談で合意した内容以外に、お互いに請求できる権利が残っていないことを確認する条項で、後日の蒸し返しを防ぎます。一方で、この条項によって、想定していなかった請求権を失う可能性もあります。「本件不貞関係に関するもの」と限定するのか、「両者間の一切の請求」とするのか。範囲の取り方で今後の選択肢が変わるため、文言には特に慎重さが要ります。文言の作り込みは法律家の領域として尊重し、私たちは根拠となる事実関係を提供します。

    結びに

    示談・和解は、多くのご依頼者が実際に選ばれている道筋です。当事者の合意で解決でき、訴訟より軽い負担で進められ、周辺の論点も柔軟に扱える。確かな材料があれば、すべてを訴訟まで持ち込まなくても道は開けます。示談・和解は「妥協」ではなく、ご依頼者の人生のための賢い選択肢のひとつだと考えています。

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