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研究職・大学関係者の不倫調査 ─ 学会・出張・共同研究の影
つくば市は、筑波大学を中心とした学園都市であり、JAXA、産総研、KEK、農研機構など、多くの国家的研究機関が集積する研究都市でもあります。これらの機関に勤める研究者、大学教員、大学職員、ポスドク、博士課程の学生など、研究や教育に携わる方々が、案件として現れる頻度の高い職種群です。
2001年からこの仕事を続けるなかで、研究職・大学関係者の不倫調査は、独自の職業特性を踏まえた組み立てが必要な領域だと感じてきました。本稿は職業群の一般的特性の整理であり、特定の機関や個人を指すものではありません。多くの方々が、研究と家庭の両立に誠実に取り組んでおられることを最初に申し上げておきます。
「研究室に残る」という時間のあいまいさ
研究職の方の生活パターンの特徴のひとつが、勤務時間の境界が曖昧であることです。一般的な勤め人と違い、明確な「定時」がないことが多く、「研究室に残る」「実験を続ける」「データを処理する」という名目で、深夜まで職場に滞在する、休日も研究室に出てくる、という働き方が日常的に行われています。
これは研究の性質上、必要な働き方でもありますが、不倫調査の文脈では家庭での説明の口実として使われる可能性のある時間帯でもあります。「今夜は遅くなる」「実験が終わらない」「論文の締切が近い」という説明が、本当に研究活動なのか、別の予定への置き換えなのか。研究職の不倫調査では、この見極めが調査の中心になることがあります。
学会・出張・フィールドワーク
研究職には、学会、出張、フィールドワーク、共同研究のための訪問など、職場を離れる機会が多くあります。「学会で東京に行く」「共同研究で大阪に出かける」「フィールドワークで一週間家を空ける」という説明の真偽を確認することが、調査の重要な論点になることがあります。学会の開催日程や場所は、多くの場合公開されています。ご依頼者の側で、配偶者の所属分野の学会情報を確認できる場合は、説明の事実関係を整理する材料になります。
共同研究者との関係性
研究の現場では、複数の機関や複数の研究者との共同研究が日常的に行われています。これにより、配偶者以外の異性の研究者と長時間を共に過ごす機会が生まれます。共同研究の打ち合わせ、論文の共同執筆、出張先で寝食を共にした時間。共通の関心事を持つ二人が職務として長時間を過ごすうちに、私的な関係に発展するケースが、研究職の不倫案件で見られる構造のひとつです。
ただし、研究の現場での協働は基本的には職務上の活動ですので、「共同研究=不倫」という前提で動くことはありません。あくまで、対象者の実際の動きを観察し、職務の範囲を超えた私的な接触があるかを冷静に見立てます。
海外との時差・国際的な共同研究
研究職のなかには、海外の研究者との共同研究や、国際会議への参加が頻繁にある方もいらっしゃいます。海外との時差で深夜や早朝のオンラインミーティングが入る、海外の学会への長期出張がある、海外からの研究者を国内で受け入れる業務がある。研究の現場では日常的ですが、家庭の側からは「不規則な時間帯の活動」として映りやすい部分でもあります。こうした業務の頻度と内容を、ご依頼者から伺える範囲で確認しながら、見立てを進めます。
大学教員の独特の働き方
大学教員には、研究者としての側面に加えて、教育者・組織人としての側面もあります。授業、学生指導、論文指導、入試業務、学内会議、委員会、社会貢献活動など、研究以外の業務が多岐にわたります。これらは定時の時間枠に収まらないことが多く、夜や休日に行われる場面もあります。「ゼミの飲み会で遅くなる」「学生の指導で残る」「入試業務で休日出勤」という説明が、本当に大学業務なのか、別の予定なのか。慎重な観察が必要な領域です。
学生との関係性は、特に繊細な領域です。大学教員と学生の関係には、職務上の指導関係があり、私的な関係に発展した場合には、職業倫理の問題も含めて複雑な議論が生まれます。こうした関係性が浮上した案件では、特に慎重な扱いを心がけています。
研究者コミュニティの小ささ
研究という世界は、分野ごとに見るとコミュニティが意外と小さいという特徴があります。同じ分野の研究者は、学会で顔を合わせ、共著論文で名前を共有し、お互いの研究内容をある程度知っているネットワークのなかで活動しています。このため、研究者同士の私的な関係は、コミュニティのなかで噂として広がるリスクを抱えています。配偶者がご依頼者にお話しされていない関係性の話が、同分野の別の研究者から間接的に伝わってくることもあり得ます。
調査の組み立てでは、こうしたコミュニティの小ささを視野に入れます。現場の動きが対象者の研究者コミュニティに伝わらないよう、配慮を重ねます。
結びに
研究職・大学関係者の不倫調査は、研究室での時間の曖昧さ、学会・出張・フィールドワークの口実、共同研究者との関係性、国際的な業務、大学教員としての独自業務、研究者コミュニティの構造など、独自の論点を多く含む案件です。つくば市が学園都市・研究都市として発展してきた歴史のなかで、これらの職種の方々のご相談は日常的なものとなってきました。職業特性を深く理解したうえで、ご依頼者の生活と職業上の立場を守りながら、必要な事実を整える。これが私たちの構えです。