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  • 訴訟になった場合の調査会社の関わり方 ─ 「現場の証人」としての役割

    調査結果が最終的に訴訟まで進むケースは、多数派ではありません。けれども、ご依頼者の選択や状況によっては訴訟まで進む案件もあります。その場面では、調査会社の役割は報告書を提出して終わりではなく、案件によっては「現場の証人」として法廷に立つことを求められる場合もあります。

    2001年からこの仕事を続けるなかで、訴訟まで関わる案件は、調査会社の総合力が問われる場面だと感じてきました。本稿では、その全体像をお伝えします。

    訴訟まで進む案件の特徴

    訴訟まで進む案件には、いくつかの共通の特徴があります。相手方が事実関係そのものを否認するパターン。事実は概ね認めていても金額交渉が決裂するパターン。内容証明にも応じず、交渉のテーブルにも着かないパターン。それぞれで、調査会社が果たすべき役割と、報告書に求められる強度は変わってきます。

    報告書が「書証」になる流れ

    訴訟が提起されると、報告書は書証として裁判所に正式に提出されます。提出にあたっては、報告書の原本性、作成経緯、内容の正確性が問われます。私たちは原本を事務所内で適切に保管し、必要に応じて提出する形を取ります。書証として提出された後、相手方から反証が出される可能性もあるため、それにも備えておきます。

    調査員が証人として呼ばれる場合

    訴訟が進むなかで、調査員が証人として法廷に呼ばれることがあります。書証だけでは十分でないと裁判所が判断した場合や、相手方から信用性を争われた場合です。出廷する調査員は、調査の経緯や観察の状況、報告書の作成過程について、法廷で口頭で説明します。出廷の可能性は最初から視野に入れて準備します。法廷での証言には緊張が伴いますが、現場で見た事実を聞かれた通りに正直に答えるという原則を貫けば、特別に難しいことではありません。私たちは、こうした場面に立てる調査員を育てる教育も日頃から続けています。

    反対尋問への備え

    証言の場面でもっとも厳しいのが、相手方の代理人による反対尋問です。これに備える基本は、現場の記録を丁寧に残しておくことと、誠実に答えることです。答えられないことには「分かりません」「記録にありません」と素直に答える。あいまいに答えると、かえって信頼性を損ねます。確認できる範囲は明確に答え、確認できない範囲は明確に「不明」とする。この姿勢が、証言の力を支えます。

    訴訟期間中のご依頼者へのサポート

    訴訟は、半年から一年、場合によってはそれ以上かかる手続きです。そのあいだ、ご依頼者は精神的にも実生活でも相当の負担を抱え続けます。私たちは、報告書の追加説明や、新たな事実が出た場合の確認調査など、訴訟の進行に合わせて必要な対応を取ります。心の負担が大きくなる場面では、私たちは心のケアの専門家ではありませんので、専門家へのご相談をお勧めすることもあります。

    判決後の振り返り

    判決まで進んだ場合、判決の内容を踏まえた振り返りも大切にしています。調査結果がどう評価され、どの部分が判決の根拠として引用されたか。これを振り返ることで、今後の調査の質も上がります。ご依頼者にとっても、「あの時の調査がこの判決に繋がった」という流れを実感することで、長い手続きの締めくくりが納得のいくものになります。

    控訴・上告への備え

    訴訟は第一審で必ず終わるわけではありません。控訴や上告に進むこともあります。その場合、調査結果の扱いは基本的に第一審と同じですが、新しい主張に対して追加の説明を求められることがあります。私たちは、案件の終結まで報告書の原本と関連資料を適切に保管し、必要な追加対応に備えます。

    結びに

    訴訟になった場合の調査会社の関わり方は、書証の提出、証人出廷、反対尋問への備え、期間中のサポート、判決後の振り返りなど、多面的です。報告書を提出して終わりではない、というのが訴訟まで進む案件の重みです。最初の現場での観察から、最後の判決の振り返りまで、一つの長い道のりをご依頼者とご一緒に歩く。これが、訴訟案件における私たちの姿勢です。

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