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再構築を選んだご夫婦への調査結果の渡し方
浮気・不倫の調査が終わった後、ご依頼者がご夫婦関係の「再構築」を選ばれることがあります。離婚や慰謝料請求に進むのではなく、配偶者と話し合い、関係を立て直していく道。これも、調査結果を活かす一つの大切な形です。
2001年からこの仕事を続けるなかで、再構築を選ばれるご夫婦への結果の渡し方には、訴訟や離婚を前提とした場合とは異なる繊細さが要ると学んできました。本稿では、その姿勢を整理します。
「使う」と「持つ」の違い
再構築を選ばれる方とまず確認するのが、調査結果を「使う」のか「持つ」のか、という違いです。「使う」とは、配偶者に提示する、話し合いの根拠として示す、交渉に活用するなど、結果を実際に動かすこと。「持つ」とは、ご自身の手元に保管し、必要に応じて参照できる状態に置くことです。再構築を選ばれた方の場合、結果を「持つ」だけで関係の再建に向かわれるケースが少なくありません。何が起きていたかを正確に把握する材料として、報告書を手元に置く。どちらを選ぶかで、お渡し方も、その後の関わり方も変わります。
「直接突きつけない」選択の重み
再構築を選ばれた方の多くは、結果を配偶者に直接突きつけることを選ばれません。「突きつけることで関係が壊れるのが怖い」「否定された時、修復不能になる気がする」「お子様がいるので、はっきりさせない選択を取りたい」——理由はさまざまです。私たちは、こうした選択を尊重します。突きつけないことは弱さではなく、関係を続けるための積極的な選択です。報告書を渡す時には、「これをどう扱われるかは、すべてご依頼者の判断です」とお伝えします。
報告書の表現を「読み手」に合わせる
再構築を選ばれる場合、報告書を読むのは、原則としてご依頼者ご自身です。法律実務の場で使う前提の報告書は、事実を厳密に書き分け、書証として通用する構造が求められます。一方、ご自身が読む報告書は、もう少し読みやすく、何が起きたかを順序立てて理解できる構成にすることが多くなります。ただし、後日「やはり離婚に踏み切る」と判断が変わる可能性もあります。このため、ご自身用に整理した報告書とは別に、法律実務にも耐える報告書も合わせて作成してお渡しすることがあります。「いざという時のための備え」を組み込んでおく。これが、長期的にご依頼者を守る形です。
結果を「受け止める時間」を確保する
結果をお渡しする際に大切にしているのが、受け止める時間を確保することです。報告書を手渡してその日のうちに帰っていただく形では、心の整理が追いつかないことがあります。私たちは、お渡しする日に時間を多めに取り、まずご一緒に内容を確認していただきます。お渡し後にも、必要に応じて再度の面談を設けることがあります。結果は、渡されてから消化されるまでに、相応の時間を要するものです。その時間をご一緒に過ごす姿勢を、大切にしています。
「再構築」と「再発」への備え
再構築を選ばれた方から、時間が経った後に「最近、また様子が変わってきた気がする」というご相談をいただくことがあります。再構築は、一度の合意で完了するものではなく、長い時間をかけて関係を作り直す過程です。その途中で再び揺らぐこともあります。私たちは、「不安が再び出てきたら、いつでもご相談ください」とお伝えし、報告書はそのまま手元に保管していただきます。再発が確認された場合の調査は、前回の理解が土台にあるため、無駄を省いた組み立てが可能です。
心のケアの専門家との連携
再構築の道を選ばれた方には、心のケアの専門家との連携が大きな支えになる場面があります。配偶者と日常を共にしながら、過去に起きたことを消化していくのは、容易な作業ではありません。家族療法の専門家、夫婦カウンセラー、臨床心理士など、状況に応じた専門家へのご相談をお勧めします。私たちは調査会社ですから、心のケアそのものは行えませんが、適切な専門家へお繋ぎする橋渡しはできます。調査結果は、ご依頼者の人生の出発点であり、終着点ではありません。
結びに
再構築を選ばれた方への結果の渡し方は、「使う」か「持つ」かの選択を尊重し、突きつけない選択の重みを受け止め、報告書を読み手に合わせ、受け止める時間を確保する。そして、再発への備えと、心のケアの連携を視野に入れる。調査結果は、それ自体が目的ではなく、ご依頼者の人生を支える材料です。結果を渡した後の歩みを思いやる姿勢が、調査会社の真価の一つだと、改めて感じています。